2022年1月~12月の日本の貿易収支について財務省貿易統計をもとにまとめました
2022年は円安に大きく振れた1年となり、輸入金額が大きく増えました
2022年1月~12月の日本の貿易収支
2022年1月~12月の貿易収支は推定によると約20兆円の赤字になります
- 2022年の輸出金額:約98兆円(前年比118%)
- 2022年の輸入金額:約118兆円(前年比139%)
2021年から2022年にかけて、輸出も輸入も2021年と比較して大きく増えています
特に輸入金額が大幅に増加しており、日本の貿易収支が大幅に悪化(貿易赤字化)していることが分かります
2022年に円安傾向が続き、輸入品の価格が高騰したため、輸出品の競争力が低下したことが原因と考えられます
このような貿易赤字の状態が長く続くと、経済に悪影響を及ぼす可能性も出てきます
そもそも「貿易収支」とは?
輸出入の収支のことを「貿易収支」といいます
輸出より輸入が多ければ「貿易赤字」、反対に輸入より輸出が多ければ「貿易黒字」になります
貿易収支は、輸出入の差額を表す指標であり、貿易黒字と貿易赤字の大小によって、その国の経済状況を判断することができます
また、貿易黒字が続くと、その国の通貨が価値を上げることがあります
例えば、日本の貿易黒字が続くと日本円の価値が高くなる(=円高が続く)ことがあります
ただし、貿易収支だけでなく、サービス貿易や資本移動なども含めた「経常収支」などの指標を総合的に判断することが重要です
※経常収支は、貿易収支に加え、サービス収支(観光、運輸、保険など)、資本収支(海外投資、国内への外国からの投資など)などを含めた収支のことです
輸出金額ランキングTOP10
単位:千円
輸出金額が大きい国を上位10か国ピックアップしました
1位は中国です
2022年は中国へ約19兆円輸出しています
(輸入金額合計が約98兆円ですので、約19%が中国への輸出です)
中国は輸入金額でも1位となっており、日本にとって大きな貿易取引国です
2位はアメリカです
2022年はアメリカへ約18兆円輸出しています
(輸入金額合計が約98兆円ですので、約19%がアメリカへの輸出です)
中国とアメリカへの輸出が、輸出金額全体の約40%を占めています
中国・アメリカ以外では、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、ドイツ、ベトナム、オーストラリアが、日本の輸出先の上位10か国の中に入っています
輸入金額ランキングTOP10
単位:千円
輸入金額が大きい国を上位10か国ピックアップしました
1位は中国です
2022年は中国から約24兆円輸入しています
(輸入金額合計が約兆円なので、そのうちの約19%が中国からの輸入になります)
中国は輸出金額でも1位となっており、日本にとって大きな貿易取引国です
2位はアメリカです
アメリカは輸出金額でも2位となっており、中国同様日本にとって大きな貿易取引国になります
3位はオーストラリアです
アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアは、両国とも石油・天然ガスなどのエネルギー資源が豊富な国であり、いろいろな国にそのようなエネルギー資源を輸出しています
日本もアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアから大量のエネルギー資源を輸入しています
そのため日本の輸入ランキングでも両国が上位10か国に入っています
貿易収支に大きな影響を及ぼす為替レート
2022年は大きく円安に振れた一年でした
貿易収支は為替レートに大きな影響を受けます
円安に振れると、輸入価格が増えます
2021年と比べて2022年の輸入金額が増えた原因のひとつは「円安」になったことだと思われます
例えば、1リットル100ドルの原油を1リットル分輸入するとき
- 1ドル=100円なら → 10,000円(=100ドル x 1リットル x @100円/ドル)
- 1ドル=150円なら → 15,000円(=100ドル x 1リットル x @150円/ドル)
となります
つまり、同じ価格で同じ量のものを買ったとしても、為替レートが変わるだけで輸入価格が大きく増えてしまうことがあるのです!
一般的に円安に進むと輸出のメリットが大きく、円高に進むと輸入のメリットが大きくなります
2022年は大きく円安に振れた一年でした
貿易収支は為替レートに大きな影響を受けるため、円安に振れると輸入価格が増えます
2021年と比べて2022年の輸入金額が増えた原因のひとつは「円安」になったことだと思われます
例えば、1バレル50ドルの原油を1バレル分輸入するとき、
- 1ドル=100円なら、5,000円(=50ドル × 1バレル × @100円/ドル)
- 1ドル=150円なら、7,500円(=50ドル × 1バレル × @150円/ドル) となります
つまり、同じ価格で同じ量のものを買ったとしても、為替レートが変わるだけで輸入価格が大きく増えてしまうことがあるのです
一般的に円安に進むと輸出のメリットが大きく、円高に進むと輸入のメリットが大きくなります
※ただし、このような単純な関係性は実際には必ずしも成立しないこともあるため、注意が必要です
まとめ
2022年1月~12月の日本の貿易収支についてまとめました
財務相貿易統計では様々な統計を見ることができます
興味があればぜひ見てみてください!
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